こんにちは 小田部久子です
私の大好きなおばあちゃんがいます
その方は90歳をとっくに過ぎている年齢です
その方に会うと、いつも話しかけてしまいます
なぜなら、いつも楽しいわくわくするような話をしてくれるからです
年を重ねられた方は、ゆっくりとした時間が流れ、私の知らない話を沢山知っているので
話をしていると本当に楽しいです
今朝も、おばあちゃんにお会いし声をかけました
今日のおばあちゃんのお話は、古典の太平記のお話でした
「俊基朝臣再関東下向事」で太平記の有名な冒頭部分を暗唱してくださいました
話が始まるとわくわくします
太平記の有名な冒頭部分を
おばあちゃんは、ゆっくりゆっくり話し始めました
「落花の雪にふみ迷う」
落花の雪に踏み迷う
交野の春の桜狩
紅葉の錦を着て帰る
嵐の山の秋の暮れ
一夜を明かすほどだにも
旅寝となればものうきに
恩恵の契り浅からぬ
わがふるさとの妻子をば
行方もしらず思いおき
年久しく住みなれし
九重の帝都をば今を限りとかえりみて
思わぬ旅に出てたまう
心の中ぞ哀れなる
この「落花の雪に踏み迷う」この冒頭がとても素敵だとおもいました
七五調のリズミカルな美しい言葉が並んでいるのも素敵です
もう帰らぬ死への旅路かもしれない心境を歌っていますが
落花の雪に踏み迷うとの文章を聞き、桜咲く美しい春の季節
桜が散って道いっぱいに花びらが落ちている、美しい様子を思い出しました
「落花の雪に踏み迷う」と昔の人は、この美しさを一文に込めたのですね
「交野(かたの)」を「難し」とかけて春の桜狩は難しいであろう心境をうたっています
そして「紅葉の錦を着て帰る」と決意し…
古典はやはり素敵だなと思います
このおばあちゃんは私の先生です
年を重ねた方にいろんなことを学んでいます
現代の子供たちも、古典の暗唱の時間が学校の授業であったら
どんなに素敵だろうなと思います